本業の不登校関連のお仕事で、著者の自傷行為の本を読んだことがきっかけで、こちらの著者のことを存じていました。
先日、図書館でこの本を偶然見つけたので、読んでみました。
なぜ、著者が、薬物依存の専門性を身につけていかれたのかが、丁寧に書かれています。
著者の中学生時代の話、これまでに出会った患者様の話、どれも真実ゆえに、引きこまれるように読み進めました。
薬物依存に至る背景には、ひどい生育環境のつらさをいっときでも忘れたいがために、薬物に依存するようになる、という洞察に至るまで深く深く考えてこられた著者には本当に頭が下がります。
話変わって、私の育った家庭では、私自身に危害が及ぶことはなかったにせよ、父親が母親に対して精神的に追い詰めていくありさまをすべて見て、聞いていたので、本に書かれているような少年少女たちとはいかないまでも、普通ではない家庭環境だったことには違いはありません。
いろいろな光景が、今でも、鮮明に脳裏に焼き付いています
忘れることなんてできない
一瞬であの時の光景が脳裏に浮かびあがる
最近では、あまりにもいろいろなことを鮮明に覚えているので、ある意味私はアタマがおかしいのではないか?とも思っています。
私は薬物にもアルコールにも依存はしていないけど、生きづらさは同じなんだ、とも思いました。
本に書かれているように、周りの大人に本当のことを話して、もっとひどくなる、という経験はしたな、と思いだしました。
そしてだれも助けてなんかくれない、と思いもしました。
たいてい、昔はひどかったけど、今は立ち直って、いい伴侶に恵まれて、今は幸せ、的な本はちまたによくあるけど、私はそうじゃないなって思います。
始めは夫さんのこと、いい伴侶かな、って思ってたけど、やっぱり全然ちがった・・・。
もちろん社会一般的はいい部類には入るのだろうけど、私のような重い、重い重症患者を支え切れないのだろうな、と思います。
ちなみに夫さんには、子ども時代のことは一言も話したことはありません。
そしてある意味夫さん自身も健全な家庭で育った人ではないので。
今は、縁あって、本業は不登校関連の仕事、副業は学童の支援員、と子どもに関わる仕事をしているので、そこで出会う、ちょっと気になる子どもたちにとって、ちょっと心を開いてみようかな~と思ってもらえるような人でありたいと思っています。
幸い、子どもたちからは、信頼を得られているみたいで、時折、心の内を打ち明けられることがあります。職務上、介入はできないのですが、必要があれば、しかるべき人へつないで、状況が好転するようにすることもあります。
自分もそうだったように、人に話してもどうにもならないことの方が多いとは思いますが。
それでも、関わる子の幸せを願うだけでもきっと役に立つだろう、なんて勝手に思ってます。