35年前にすでに見えていた未来
大手ではない、古本屋さんで見つけた本です。
1983年にABC出版から刊行された本です。
私が読んだのは、その本をさらに1992年に文庫化した本です。
きっと、当時は売れた本だったのでしょうね。
今から35年も前に書かれた本なのに、書かれている内容は現代の家族(我が家のことですけど・・・)の問題を的確に指摘していて、著者の洞察力に驚かされます。
っていうか、すでにこうなるであろうことはフロイトが1930年に予言していた、というから驚きです。
以下フロイトの文章を引用
かつての社会では、家族は唯一の共同生活の形態であった。ところが、現代社会では、あとから生まれたさまざまな文化的共同生活形態が次々に登場している。そしてこれらの共同生活形態が、しだいに家族にとって代わろうとしている。家族はこの動向に一生懸命対抗しようとしている。まず初めに家族とその外の社会集団との戦いのはざまで、最も葛藤の焦点になったのが若者である。そして、いまや若者にとって、家族の束縛から脱出することが最大の課題になった。やがて男性は、他の男性たちに依存せずには生きていけないようになる。それだけ彼らは夫や父親としての役割から遠ざかることになりかねない。その次に焦点になるのが女性である。・・・
引用終わり
著者は心を家庭の外に向けて暮らす社会が出現し、家庭の機能は縮小した、と述べておられます。にもかかわらず、家庭のない家族たちは、既成概念通りの家庭があるかのような家族幻想のなかで暮らしていると・・・。
いや~まさに我が家の現象と一緒ではないか・・・。
ある意味、我が家は時代の流れにのっとって健全?と安心すらしています。
(ウチだけじゃないハズ・・・)
そもそも家庭とは何?
結婚して、家庭を持ち、子どもが生まれ、その子どもを含めた家庭という幻想をひたすら必死に追い求めてて、家庭らしきものを必死に演出していた私ですけど、ふと、私って、いったい何をやっているんだ?と気づいてしまった次第です。夫と子どもといっしょに外出して、楽しい家庭を演出している私。季節のイベントがあれば家を飾り、それっぽいことをしていた私。でも必死に演技している私に気づいてしまった。舞台にいるのは私だけかよ・・って。なので、もう演技するのはやめてしまった、ということ。
そもそも、夫さんと家庭というものの概念をすり合わせていなかったし。
夫さんが思い描く、休日にはみんなでお出かけ・・・なんてことに私は無理に合わせていたんだ、と途中で気づいてしまった。私は本当は休日にはひとりでのんびりしたい。
まあ、子どもが小さいうちはそんな余裕すら本当はなかったのだけれど・・・。
古き良き家族を守り続けているかのようなよき家庭が、いまだに存在しているのも事実で(身近な人でそのような家庭を守っておられる方を存じておりますので)私の築いてきた家庭はガラガラと10年ほどで崩れ去っていったので、私ってダメな妻と自己嫌悪に陥っていましたけど、日本全体として、「家庭のない家族の時代」に突入していっているのなら、むしろ私は時代の先をいっていたのではないだろうか・・・と一安心した次第です。
まあ、私が育ってきた家庭も両親が離婚していますので、「家庭のない家族」でしたけど・・・。
父が仕事を辞めてしまって、家庭がガラガラと崩壊していったのは、丁度1984年からでしたので、まさにこの本が発行されていた時代に、私の育った家庭では、時代の最先端をいっていたことになりますね(笑)
感情の容れ物としての家庭
著者は、第1章で「感情の容れ物としての家庭」について述べておられますけれど、この感情の容れ物としての家庭が、許容量をこえてしまうと、どうなるのか?
だれも、自分の情けない気持ちを抱えてくれない。→家庭は感情を凍らせる冷凍庫になるしかない。と述べておられます。
いや~、まさにウチではないですか・・・(笑)
私なんて、感情を押し殺し過ぎて、病気になっちゃいそうですよ・・・。
(まあ、こうしてこのブログでぶちまけているから多少はガス抜きできていますけど・・・。一応リアルな社会でも愚痴を聞いてくれる人がいるので・・・)果たして、夫さんはガス抜きできて切るのかどうか心配ですけど。2年ほど前に夫さんのこづかいを倍額に上げろ大爆発事件があって以来、夫さんとはまともに話し合ってもいませんので、夫さんの心のうちが今、どうなっているのかは知る由もありません。夫さんに対しては、上記のように感情を凍らせて冷凍庫にしていますので、いっそのこと永久凍土になってしまえ、とすら思っていますので。
竹内まりやの歌のように「冷凍庫のなかで 凍りかけた愛を 温め直したい」とは決して私は思っていません。竹内まりやさんも罪な歌をお作りになったもんだわ~。
とりあえず、今日はここまで。
また続きの感想を近日中に・・・。
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